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プロジェクトマネージャー転職に有利な資格2選|1年の勉強で取得可能

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プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発のプロジェクトマネジメントだけに限らず、どの世界でもある「プロジェクト」をマネジメントし、成功に導くための伝道師として貴重な役職です。

またITシステム開発の現場では、近年アジャイル開発、スクラム開発などの開発フレームワークが登場し、旧来型のマネジメントが不要という声もありますがそんなことはありません。プロジェクトの成功に必要な要素は、ウォーターフォール型でもアジャイル型でも関係ありません。

エンジニアとしてキャリアを出発して、プロジェクトマネージャーを目指す人もいるでしょう。また、経営者になるために「マネジメントを体系的に理解するためにプロジェクトマネージャーになりたい」という人もいるでしょう。

プロジェクトマネージャーとして必要な資格(特に転職や昇給に有利と言われているもの)を3選紹介します。どれも1年間勉強すれば、一生の給与やスキルに効くものなのでぜひこの記事を読んだ後は勉強を始めてください。 

目次

プロジェクトマネージャーに資格は不要

プロジェクトマネージャー(PM)とは、プロジェクト全体の進行を管理し、予算や品質、納期、成果物のクオリティに対して全責任を持つ役職です。プロジェクト全体を見通した上で意思決定を行い、プロジェクトを成功に導くまでが仕事となります。主にITシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクトマネジメントを指揮する人として言われることが多いでしょう。

そんなプロジェクトマネージャーになるには、医師や弁護士のように国家資格になる必要はなく、特に取らなければいけない必須資格というものは存在しません。また、プロジェクトマネージャーに重要視されるのは現場で培ってきた経験やスキルが多いため、特に資格を持っていなくても現場で活躍しているPMが数多く存在します。

しかし私は2つの点で、プロジェクトマネージャーは資格を取るべきと考えております。

1つは、「経験だけに依存しない体系的なプロジェクトマネジメントスキルの獲得」です。プロジェクトマネージャーに抜擢されてすぐに感じることは、「何をしていいか分からないこと」です。1エンジニアとして動いていた頃と違い、プレイングをすることがほぼないのがプロジェクトマネージャー。そのため、自分の仕事の使い方から苦労することも。そんな時にフレームワークとしてのプロジェクトマネジメントの型があると、経験値は少くても何をすべきかが見えてくるでしょう。

もう1つは、「自身が経験したことの言語化を通してのスキル会得」です。体験+座学は究極の学びになることは、ご存知の方も多いと思いますが、プロジェクトマネージャーも例外ではありません。特にエンジニアと違って、勉強の仕方は考えないと経験値はただの時間をかけただけになってしまいます。転職活動などで自らのプロジェクトマネジメント経験を生かしていくには、「どんなプロジェクトマネジメントスキル」を持っているかを話せないといけません。そのためにも、PMBOKなどのガイドや、資格試験取得を通して自ら得た経験値を言語化し、スキルとして持っていくことは優秀なプロジェクトマネージャーとして必須のスキルと言えるでしょう。

転職に効くプロジェクトマネージャー資格

1.プロジェクトマネージャー試験(情報処理試験)

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html

プロジェクトマネージャー試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営する情報処理技術者試験の1つです。日本国内ではPMPよりも有名で、プロジェクトマネージャーを目指す人が持つ資格として最も有名かもしれません。

試験内容としては、IT技術全般の知識はもちろん、プロジェクト責任者として必要な知識として、プロジェクトの管理や計画立案・予算や納期・品質などのプロジェクトに関わる全てに対応可能なスキルが確認される試験となります。

IPAの試験でもある基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を受験・保持している方もいると思いますが、それらとの違いは午後の論文です。午前の選択式マークシートの受験と異なり、午後は論文形式で自らの考えや意見を表現していく内容がメインです。特に午後Ⅰは本試験の最難問が出題されることが多く、情報処理の技術力だけではなく、経営視点からの思考やコミュニケーション能力や見積もり能力など幅広い技術とスキルが必要となります。

合格ラインは正解率60%以上です。(午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱそれぞれ60%を超える必要あり)合格率は受験者に対して15%とかなり狭き門で、やはり午後の論文対策が重要です。おすすめは過去問をひたすら解くことです。

2.PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)試験

https://www.pmi-japan.org/pmp_license/

プロジェクトマネジメント団体のPMIが実施する試験。国際的に通用する資格なので国内でも非常に人気が高い試験のひとつです。三年ごとに資格更新をしなくてはいけないものにもかかわらず、2016年4月時点で国内に33,348人のPMP所有者がいます。プロジェクトマネージャー試験と異なり、グローバルでも通用する資格であることが魅力の1つ。例えばベトナムでのオフショア開発でブリッジエンジニアとして活躍したいという人も、PMP資格を保有していると「この人できるな」と思われます。

PMPは、受験資格がとても細かいことが特徴的で、受験しようと思っても受験資格すら適用されない可能性があります。まずPMPを受験するには、プロジェクトマネジメントの指揮や監督の経験が一定時間必要となり、大卒者の場合は4500時間の実務経験がその条件で、どのようなプロジェクトを経験してきたかを英語で記入して申請する必要があります。さらにそのプロジェクトを見てきた上司が最終承認するというステップで、自分ひとりではできないのも特徴の1つです。

さらに、PMI支部や認定機関、大学などで35時間の公式的なプロジェクトマネジメント研修を受けるというのも条件に含まれています。35時間の研修はなかなかのものですが、オンライン研修なども含まれているので、これらで受験資格を取っておくというのもひとつの手です。

肝心の合格率などは特に出ていないのですが、60%前後と言われています。プロジェクトマネージャー試験に比べると比較的高く見えますが、受験資格での足切りがあるため選抜された一部のプロジェクトマネージャーしか、受験できないということも一理あるでしょう。受験料は555ドルと高くないので、受けるなら絶対に受かろうとモチベーションを高くする受験者もいることが影響しているかもしれません。

結局プロジェクトマネージャーに必要と言われる資格は転職に有利?

プロジェクトマネージャーのスキルアップには重要な資格取得ですが、転職する際には有利な材料となるのでしょうか。結論から言うとプラスにはなるが、絶対評価にはなりません。

責任のある役職についたり、大きなプロジェクトを任されたりするためには実務経験と資格取得はどちらもとても大切です。それは転職の時にも言えることで、自分の技術を客観的に証明できる資格の取得はけして損にはならないでしょう。

しかし一方で、IT業界の転職は実務経験の豊富さが重要視されるという傾向もあります。転職してくる中途採用者に企業が求めるのはすぐに会社の一員となって働ける即戦力となることだからです。その為、実務経験が浅いのに資格ばかり取得していると企業側からは実務が分かっていないという認識を受け、転職も上手くいかないかもしれません。

それでは、資格取得が有利に働く理由とはなんなのでしょうか。それは、その人の持つ向上心や仕事に対する熱意の証明となる点です。仕事をしながら必須ではない資格を取得するというのは、仕事に対して熱心で向上心が無いと中々成し遂げられないものです。

そんな資格取得に向けて、自分の時間管理をしっかりと行い、自身を合格へ導いたその工程こそが、その人のマネジメント能力を計るのにはぴったりの指針となるのです。

転職で資格取得を目指そうと思っている方は、実務をおろそかにしてまで取得するのではなく実務経験を積みながら、少しずつ勉強して資格を取るようにしていきましょう。最低でもこれらの資格に合格するには、半年程度の受験勉強は必要と言われていますし、筆者も半年は勉強をしました。

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