本日は、プロダクトマネジャーの役割、求められるスキル、そして「これからプロダクトマネジャーになりたい!」という人がどうすればなれるか、どんな転職活動をすべきか、どんなスキルを身につけるべきかを解説します。近年日本においても「プロダクトマネージャー」という職種を設置している企業は増えていますが、未経験からプロダクトマネージャーになるにはどうしたら良いの?という人も多いはずです。ぜひ本日の記事を参考にプロダクトマネージャーを目指してください。
目次
プロダクトマネージャーの役割・業務・必要なスキル
プロダクトマネージャーはプロダクトのCEO
プロダクトマネージャー(Product Manager)は、PMやPdMと略して呼ばれることもあり、近年Web企業を中心に聞くことが多くなったと思いますが、まだまだ発展段階の職種です。PMはその名の通り、企業の”プロダクト”に対する全体責任と最終意思決定権を持っています。ここで最終意思決定権と言っておりますが、会社によってその意思決定権が異なっていることはご注意ください。(中には社長がすべての意思決定権を持っているという企業も0ではないので)
あるべき姿としては、プロダクトの意思決定はPdMに任せられており、その最終決定者であるPMは「プロダクトのミニCEO」と呼ばれることもあります。
プロダクトマネージャーの業務範囲は調査〜企画〜開発〜リリース…と広い
企業が顧客に販売・提供する製品のことを「プロダクト」と呼んでおり、プロダクトの成功およびプロダクトを通した顧客の成功がプロダクトマネージャーに求められています。顧客満足度を上げて、最大利益を得るために動く仕事であり、会社の利益を作るために重要なポジションなのです。
そんなPMに求められる業務範囲は非常に幅広いです。上図はプロダクトマネジメントトライアングルと呼ばれる「PMに求められる機能と役割」を開発・UX・ビジネスの3軸で整理したフレームワークですが、基本的な業務が3軸のいずれか同士の掛け合わせで成り立っていることがわかります。
顧客ニーズや競合調査を元にビジネスディベロップメント(事業調査)やマーケティング(企画)が実行されます。要求定義・要件定義などによりプロダクトの仕様が固められます。このように求められる業務範囲が広いことがPMの特徴の1つです。
未経験からプロダクトマネージャーになれるのか?
プロダクトマネージャーに資格は不要
まずご存知の方も多いとは思いますが、プロダクトマネージャーは資格がなくても就ける仕事です。またPMPやIPAのプロジェクトマネージャー資格があるプロジェクトマネージャーと異なり、そのスキルレベルを表現するような資格も2022年時点ではありません(PMがPMPなどを持っていても、もちろん優位には働きます)。そのため未経験・無資格の方でも、試験勉強などのハードルがなくても目指すことができる職種です。
トライアングルを満たすスーパーマンPMはいない
前述のプロダクトマネジメントトライアングルを見ると「スーパーマンのような何でもできるプロダクトマネージャーという仕事は、自分には向いていないな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただPM経験10年の著者でさえ、そんなスーパーマンを見たことがありませんのでご安心ください。先程のプロダクトマネジメントトライアングルは、”プロダクトマネジメントに必要な要素”であって、”プロダクトマネージャーに求められるスキル”ではないからです。
例えば、「デザイン」というスキルがありましたが、IllustratorでWebデザインができるということなどは求められてはいないのです。デザインを実装するのは、プロであるWebデザイナーやUXデザイナーに任せればよいのです。
未経験からでもなれるが「自分ならではの武器」は必要
では本日の本題である「未経験からプロダクトマネージャーになれるのか?」について見ていきましょう。結論からお伝えすると、「未経験でもプロダクトマネージャーになることは可能」です。ただし未経験のPMになるには、今までにPM以外の仕事で得てきたスキル・武器をどう活かすかがとても重要になります。
まず大前提として、今世の中で活躍しているプロダクトマネージャーの全員が、PMキャリアを歩み始めた時は未経験です。不動産営業から不動産TechのPMになった人もいれば、エンジニアからPMに職種をチェンジした人もいるでしょう。このPMになった瞬間は、この記事を読んでくれている多くの方と同じく「PM未経験」の状態なのです。では先輩達はどのようにPMに転身して、どのようにPMのキャリアを歩んできたのでしょうか。
プロダクトマネージャーになる鍵は、「自身の強み・武器をプロダクトマネジメントに活用する(軸ずらし)」ことです。ではどういった武器が必要なのかを見ていきましょう。
こういった武器はPMでも活用できる
1.エンジニアリングスキル
エンジニアリングスキル(開発力)は、何か一つの開発経験(設計・テストを含む)があればプロダクトマネジャーは目指せるでしょう。大規模なプロダクトを開発したとか、複数のプログラミング言語に精通しているなどはテックPMを目指さない限りは不要なので、エンジニアリング専門性の深さはそこまで求められません。
では、どのようなエンジニアリングスキルがあると良いのでしょうか?端的に言うと、「エンジニアの気持ちを理解でき、エンジニアと会話ができる」ことです。例えば、新規機能の開発をPMがやりたくなったとしても、エンジニアとして技術負債を解消したいという時があります。その際に、「エンジニアが何故そういったことを言っているか分からない」となってしまっては良いPMになれません。
またPMがプロダクト開発における一連のワークフローを把握していないと、プロダクトのリリース品質やリリーススケジュールを担保できなくなってしまいます。例えば、テスト工程の重要性を分からずに品質担保できないままリリースしてしまったり、要件定義が曖昧であったばかりに仕様バグが含まれるプロダクトをリリースしてしまうなど。こうなってしまうと、プロダクトマネジャーとして十分な活躍ができなくなることもあります。
このような観点から、経験年数・使用言語の差はあれども、エンジニアリング経験というものはPMにとって重要であると言えます。
2.マーケティング・営業・カスタマーサクセス
マーケティングスキルや営業スキル(顧客理解)はPMで活かす場面が多いスキルの1つです。プロダクトマネジメントの先には「顧客の成功」があります。顧客がどういった人間で、どういった心理に基づいて行動するから、こういった機能やデザインが必要だということをPMは意思決定する必要があります。マーケターであればWebマーケティングなどで、顧客の行動心理を理解しながら業務をしてきた経験があるので、活かすことができるでしょう。
営業(インサイドセールス、フィールドセールス)やカスタマーサクセス(CS)をやってきた人からすると、一見プロダクトマネージャーは遠い存在に思えるでしょう。ただし、顧客に最も近いところで仕事をしてきた人は、顧客理解が非常に高いでしょう。「大手企業のA社の人事だったBさんは、こういった業務をしているから、このような課題を抱えている」ということを理解していたはずです。特に無形商材の営業やカスタマーサクセスをしている方にとっては、提案型営業をすることが多いはずなので、顧客課題の言語化・定義に優れているでしょう。
このようにマーケーター、営業、カスタマーサクセスで得た「顧客理解」という経験は非常に役立ちます。
3.ドメイン知識(特定領域の業界知識)
最後に紹介するのは、ドメインエキスパートという新しいPMの概念です。近年、freeeやマネーフォワードなどで取り入れられている職種なのですが、ドメインエキスパートというものがあります。例えば、会計士資格を持っている、元公認会計士がプロダクトマネージャーに転身するイメージです。
詳細はこちらの記事(『これからドメインエキスパートという職種が重要になりそう』)をご覧いただければと思いますが、具体的な業務知識、法などへの知識、専門家とのネットワークを保有している方々を招き入れることで、プロダクトを前もって成功に導くことができる存在です。
このドメインエキスパートはtoB SaaS で主に採用が定着しているイメージですが、例えば元不動産会社営業マンの不動産テック企業転職や、元ブライダル営業のブライダルSaaS PM転職などがあるでしょう。飲食店でのアルバイト経験から、AirレジやスマレジのPMに応募してみるなどもできるかもしれません。
未経験からPMを目指すならエージェントと共に転職を目指そう
プロダクトマネジャーのポジションを募集している企業は、数十名規模の中小企業よりも、大手企業の方が多い傾向にあります。そういった大手企業は応募人数も多いので競争が激しいです。
また、未経験でPMに転身しながら転職したいという方は、PM業界についても情報を仕入れながら、自らが合う会社・業界を見つけていくことが良いでしょう。そのため、PMとしての転職を進めるのであれば、PM求人に強い転職エージェントを利用し、エージェントに相談しながら転職活動を行っていくことを強くおすすめします。以下に、特におすすめの転職エージェントを紹介しましたので、是非ご参考ください。
リモートワーク、副業OKなどWeb業界×ビジネス職に強い Gaiax Agent
Gaiax Agent(ガイアックスエージェント)はWebビジネスを自ら運営したり、様々なスタートアップ企業に投資するガイアックス株式会社が運営する人材紹介会社です。様々な事業を会社として保有したり、接点があるため、今勢いがある企業や安定的に成長する企業を把握しています。そんなWeb企業を中心に、主にビジネス職(PM職も企画という意味でビジネス職に該当する)を募集している企業を紹介してくれます。
また「個人に寄り添う」ことをモットーにしているため、無理な企業紹介などはせずに、その人がどんな人生を歩むのが良いかを考えてくれます。キャリアデザイナーと呼ばれるエージェントがあなたの人生設計を助けてくれます。まずは話がしてみたいという方もWelcomeというスタンスなので、PMに興味があるや、各業界の動向を知りたいという方はぜひ登録・面談申し込みをしてみましょう。(いずれもサービス利用料は無料です。)
👉GaiaxAgent(ガイアックスエージェント)公式ページ
20代中心に人気のエージェント 第二新卒エージェント
第二新卒エージェントneoは、第二新卒や既卒、フリーター、中・高・大中退など、若年層向けに特化した転職エージェントです。
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SES、SIer出身者向けにおすすめのTECH CLIPS(テッククリプス)
TechClipsAgentは、高年収&将来のキャリアプランを重視したITエンジニアのための転職エージェントサービスです。現職のエンジニアやPMがあなたのキャリアコンサルティングを行ってくれます。SIerやSESとしてエンジニア経験はあるものの、自社サービスにこれから携わりたい人、PM(プロダクトマネージャー)にこれからなりたい人向けに、履歴書・職務経歴書の書き方や各企業の面接対策と寄り添ってくれます。
👉TECH CLIPS Agent(テッククリプスエージェント)公式ページ
最後に
ここまで紹介してきたように、プロダクトマネージャーは無資格・未経験からでも目指すことはできます。そして、これまでのあなたの経験を存分に活かすことで、初心者PM時代から活躍することができるでしょう。
ただし未経験PMで転職をすることの難易度が高いのは事実です。そのために今まで培ってきたスキルや経験をどのように活かすことができそうかなどを、エージェントなどと棚卸ししながら、自分に合う企業を探していけると良いでしょう。