CTO、CPO、CDO、VPoE、PdM(プロダクトマネージャー)、EM(エンジニアマネージャー)などいわゆるDev(デブ)サイドからキャリアを経営やマネジメントに移していく人は多いでしょう。特にエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーからキャリアを始めた方々は、営業やカスタマーサクセスといった職種に就くことなく、ものづくりに携わりながらキャリアを積み上げていった方も多いでしょう。ただ、これらの経験を積んだ方の多くは、「ビジネスに対する苦手意識」や「P/LやB/Sへの苦手意識」を感じる方もいらっしゃるでしょう。特にプロダクトKPIの向上が直接売上向上に寄与しない場合、事業計画の読み方が分からず、ビズサイドメンバーにお任せしてきたという方が多いのではないでしょうか。
今回の記事では、日頃からビジネス理解力を高める勉強方法をおすすめします。この力は、プログラミングスキルやプロダクトマネジメント力と同じで、一朝一夕で身につくものではありません。毎日、毎週意識してインプットとアウトプットを重ねるようにしましょう。
目次
1.日経新聞の「見出し」を1日5分で良いので読む
まずは王道中の王道、日経新聞の購読を始めましょう。就活生かよと思われるかもしれませんが、毎日ビジネスに関する記事をキュレーションしてくれるメディアは少なく、毎日読むことで世の中で起きていることを簡単に掴むことができるでしょう。
では、なぜ日経新聞を読む必要があるのでしょうか?それはあなたのキーパーソンになる方々が読んでいる可能性が非常に高いからです。以下は日経メディアデータの購読者プロファイルを添付したものです。
日本経済新聞社独自でのメディアデータですので、多少は自社媒体を良くなるように発信していると思いますが、日経新聞と他新聞の最も違いはビジネス中核層が購読者に多い点です。経営職、事務職、研究・開発職などのホワイトカラーと呼ばれるビジネスマン、課長・係長という管理職が読んでいます。また大きな組織になるとオフィスで購読していたり、秘書の人が日経新聞の記事を抜粋して全社員に展開することもあるでしょう。日経新聞の記事そのものが有用なだけでなく、日経新聞を意思決定者が読んでいるので、同じ情報をインプットしておいて損はありません。
しかし日経新聞の購読料は、4,277円/月〜と決して安くはありません。そんな方には、日経新聞の記事を無料で読む方法があります。紙面を無料で入手することはできないですが、Webアプリから記事を閲覧することができます。楽天証券のIDを持つことで、日経新聞を無料で読むことができますので、ぜひご参考にしてみてください。
2.決算書を読みビジネスモデル、トレンドを理解する
2つ目は新聞購読などと違い、ほぼ全てを無料でできる方法です。それは、上場企業の決算資料(IR資料)を読み込むことです。上場企業は四半期毎に決算報告を株主に向けて行う必要があり、決算説明会を行っています。決算説明会で使用した決算説明資料や、決算説明時の動画は会社HPに掲載していることが多いです。
これらは無料でアクセス・閲覧できるので、自社のサービスに似た企業の決算資料をぜひ読み込んでみましょう。特にこのブログをご覧いただく方の多くは、IT企業・Webスタートアップ企業に在籍していると思います。最近はIPOするスタートアップ企業も多いので、どんな指標を報告しているのか、各社の主要KPIはどのようになっているかを理解する癖を身に着けてみましょう。
ただ、決算資料をこれまで読んだことがない方にとっては次に紹介するYoutube動画やnoteで「どこを読むべきか」を掴んでみましょう。
【10分で要約】世界一楽しい決算書の読み方|投資をするなら決算書を理解しようYoutube
特にシバタナオキさんのnoteは1ヶ月1,000円で3〜4社の決算分析をしてくれています。競合企業のKPIとの比較なども解説してくれているので、ある業界の構造を手っ取り早く理解するのに向いているでしょう。
3.ビジネスモデルを図にしてみる
1つ目と2つ目は「インプット」を中心とした勉強方法をおすすめしました。3つ目は「アウトプット」に特化した勉強法です。自分が対峙する業界・サービス・プロダクトの「ビジネスモデルを図解する」ことで、ビジネス理解力を上げることをおすすめします。ビジネス環境では、お金の動きだけでなく、人の流れ、もの(情報)の流れがあります。金流、商流、物流を抑えることで、誰がどんな価値に対してお金を払っているかをシンプルに捉えることができます。
上図は手軽に高級フレンチを楽しむことができる「俺のシリーズ」のフレンチレストラン「俺のフレンチ」をビジネスモデル化したものになっています。お金の流れは店舗にお客がお金を払って、店舗が会社にお金を渡す・・・という構造が分かるでしょう。また一流シェフと立ち食い式という一見相反しそうな業態を取ることで、高収益モデルを築くことができていると言えるでしょう。
ビジネスモデル2.0図鑑という本が、各業界のビジネスモデルの図解例と解説を説明しているので、ぜひご参考にしてみてください。