日本を代表するスタートアップで、優秀なプロダクトマネージャー、エンジニア、UXデザイナーが在籍するメルカリ。また、2018年に上場してからもその勢いは落とすことなく、メルカリUSを中心としたグローバル展開に、メルペイ・ソウゾウなどの新規事業も積極的に挑戦している企業です。メルカリは「働いてみたい注目成長企業2019」に選ばれたこともあり、就職・転職先として人気があります。
そんなメルカリ社のプロダクトマネージャーに転職したいという方も多いと思いますが、2021年10月現在で募集されている職種要件や平均年収を元に、求められる業務内容・採用難易度・選考フロー・想定年収を解説していきます。
目次
1.メルカリのプロダクトマネージャーとは
メルカリではプロダクトマネージャー（Product Manager）に特化した採用HPを用意しています。エンジニア、デザイナー向けの専用HPを用意している企業はありますが、メルカリのようにPdM向けに用意する企業は珍しいというか、日本国内では稀と言えるでしょう。（それだけ、優秀なPdM採用に力を入れているということですが）
直訳すると「プロダクトを管理する人」ですが、メルカリにとってプロダクトマネージャーとは「お客さまにとって必要な価値を定義し、その価値を正しく提供する人」と意味づけています。お客さまの潜在的なニーズや顕在的な課題を発見し、解決方法を見出し、実施する。
引用元：https://careers.mercari.com/jp/job-categories/product-management
採用HPによると、メルカリでのプロダクトマネージャーの業務を一言で表すと上記のようになるようです。どうしてもPdMの職務範囲は抽象的になりがちで、かつ広範囲に渡りますが、メルカリでもその業務範囲は広く責任が強く求められる職種と言えるでしょう。
また、メルカリに在職中の現PdMの方々が書いた記事も参考になるので、参考にしてみてください。
2.メルカリで募集中のプロダクトマネージャー職
メルカリ採用HP「Mercari Careers」で募集されている職種で「プロダクトマネジメント」で絞り込みをすると、21件の職種がヒットします。プロダクトマネージャーというタイトルの職種もあれば、「エンジニアリングオフィス」という一見PdMだろうか？という職種もありますね。
これは、メルカリでは様々なPdMが様々な領域で活躍しており、PMMのようなマーケティングに強いPdMもいれば、エンジニア出身でテクニカルに強いPdMも存在することが関係しています。前述のエンジニアリングオフィス(EO)職は「全てのエンジニアに最高の従業員体験を提供する」をミッションとしてという記載があるので、エンジニア体験を最適化するPMOのような位置づけのPdMということが分かりますね。
また、単なるプロダクトマネージャーだけでなく、スキルレベルに応じて「シニアプロダクトマネージャー」と「プロダクトマネージャー」とで採用していることが分かります。シニアプロダクトマネージャーだけでも、3つの募集があるなど、5〜10年程度PdM経験がありさらにメルカリを次のステージに引っ張ることができるメンバーを募集しているんですね。（2021年10月現在）
2-1.プロダクトマネージャーの募集要項
それでは各募集職種を見ていきましょう。まずMerpay社のプロダクトマネージャー職の募集要項です。（2021年10月現在では、メルカリ本社での「プロダクトマネージャー」職の採用がありませんでした）
業務内容
・お客さまのニーズや世の中のトレンドから、サービスに必要な新企画、新機能の立案し、実現することを担うProduct Managerを募集しています
・マーケティングチームと協業した企画・開発ディレクション
・キャンペーンなどの実施、運用、分析 など必須条件
・2年以上のインターネット、スマートフォン向けの製品・サービスのプロダクトマネジメント経験、またはそれと同様の経験
https://mercari.wd3.myworkdayjobs.com/ja-JP/mercari_external/job/Roppongi/Product-Manager--Merpay-_JR-000000912-28
・開発ディレクションの経験
恐らくメルカリにおける一般的な「プロダクトマネージャー」の職務範囲、採用要件がこれに近い内容になってくるでしょう。上記の業務内容を見る限り、PdM経験3〜4年目のメンバーを募集しており、Merpayの機能の一部（一部ユーザーストーリー）のプロダクト開発における意思決定権があるという感じでしょうか。
必須条件もシンプルで、何よりもミッション/バリューに共感することが大事ですが、スキル・経験値は多くを求められていません。ポテンシャル採用に近い形で、思考性やスタンスなどを見られる可能性が高いです。
2-2.シニアプロダクトマネージャーの募集要項
次に、メルカリのシニアプロダクトマネージャーの募集要項です。注目すべき箇所をいくつかピックアップしてみましょう。
業務内容
・プロダクト開発のプロセスに責任を持ち、プロダクトチームの開発サイクルをリードする
必須条件
・5年以上のインターネット、スマートフォン関連業務でのプロダクトマネージメント経験またはそれと同様の経験
https://mercari.wd3.myworkdayjobs.com/ja-JP/mercari_external/job/Roppongi/Senior-Product-Manager_JR-000000036-7
・周りの人を巻き込めるリーダーシップスキル、コミュニケーションスキル
・データを用いた意思決定を行うことができる
前述のMerpayのプロダクトマネージャーからガラッと変わりましたね。まずは経験値が「5年以上」となりました。仮に新卒からプロダクトマネージャーになっている方だとしても、30歳前後のメンバーになっていることでしょう。
またメルカリはユーザーリサーチを徹底的に実施する会社であることも有名ですが、「データを用いた意思決定」が必須条件に入っていることも特徴的です。お給料が高い仕事に共通して言えることですが、KPIを用いて事業をグロースさせる経験がないと、シニア職に就けないということでしょう。データが全てではないですが、メルカリほど大きな組織になってくると、データで事業を示せないと重要な仕事に就けないということがわかります。
また世間一般ではPdMは「開発サイクルに責任を持たない」と言われることもありますが、シニアプロダクトマネージャー職では「プロダクト開発のプロセスに責任を持ち、プロダクトチームの開発サイクルをリードする」とあります。ここが先進的なプロダクト開発をしているメルカリの特徴で、例えば人材の配置などはエンジニアマネージャー（EM）などのPeople Managementに権限を持っているメンバーが実施するかもしれませんが、開発チームのサイクルをリードしてくことには責任を持つとのこと。スクラム開発を導入しているメルカリなので、アジャイル・スクラム開発経験者で、POがどう動くといいかを経験して知見がある方は有利かもしれません。
3.メルカリのプロダクトマネージャー平均年収
indeedに過去掲載されたメルカリのPdM職での平均年収を算出すると、年収で751万円とのことです。スタートアップ業界の市場価値を上げ続けている企業という印象があるので、一見すると「安くない？」と思われる方も多いかもしれません。これはあくまでも「募集されている情報を元にした平均年収」であり、採用時また在職時の平均年収を示しているわけではありません。
四季報によると、社員全体での平均年収は920万円とのことでした。プロダクトマネージャーという、メルカリの心臓にあたるプロダクトの意思決定を担う人材を加味すると、メルカリPdMの年収は800〜1,200万円くらいが相場ではないでしょうか。
4.メルカリのプロダクトマネージャー選考フロー
メルカリでは採用フロー・選考フローを採用HPの「Mercari Careers」に掲載しています。基本は書類選考と面接に分けられていて、口コミを見る限りでは面接は３回ほどになるのではないでしょうか。
4-1.書類選考のポイント
他社の書類選考と同じように、履歴書と職務経歴書を送付して、募集要項の必須条件・歓迎条件に照らし合わせて、面接に進むかが決まります。職務経歴書を書いたことがない人は、ぜひエージェントなどに登録して、レビューをしてもらってから望むと良いでしょう。
4-2.面接のポイント
メルカリの選考において最大のポイントは、面接です。日本最強と言えるPdM陣が面接官となって、あらゆる角度から質問をしてくるので、対策・準備は綿密に実施しましょう。Vokersなどの口コミサイトや、周りでメルカリに勤めた経験のある方に話を聞くなどして、質問に対しての回答を準備しておくと良いでしょう。
特に深ぼっておくと良いだろうという点は以下です。
Why メルカリ？
- なぜメルカリのミッション・ビジョンに共感したのか？
- なぜ他社ではなく、起業でもなく、メルカリでPdMになりたいのか？
Why You ？
- なぜメルカリはあなたを採用する必要があるのか？あなたはメルカリに相応しい人材なのか？
- あなたはメルカリのバリューを発揮することができるのか？（過去に発揮したエピソードはあるか？）
- あなたの過去の経験はメルカリでどのように活かすことができるか？（再現性）
また、採用HPに記載のある通り「STAR面接」をメルカリ社では導入しております。STAR面接はGoogleでも取り入れられている有名な面接手法で、自分自身の深堀りに非常に役立ちます。下記参考記事より、事前に自らをSTAR面接してみて、面接に望まれることをおすすめします。
5.メルカリのプロダクトマネージャー就職難易度
これまで紹介してきた通り、メルカリは転職者に高いスキルや実務経験を求めており、就職難易度は非常に高いと言えるでしょう。これはメルカリが企業の成長を目的として、即戦力となるハイスキル人材を中心に中途採用を行っていることが理由と言えます。また平均年収も高い企業であるため、どの職種も転職難易度（倍率）が高い傾向にあります。
また、海外展開を積極的に行うメルカリは国際色豊かな社員が多く、職種によっては英語力必要です。エンジニアの半分は海外人材（Not Japanese）と聞いたこともあります。専門知識に加えて、ビジネスレベルでの英語力が求められる場合もあり、中途採用募集では優秀な候補者が応募してくると考えられます。
しかし、これらの環境は自分自身の成長にとっては非常に良い環境とも言えるでしょう。これまでの経験を生かして活躍できそうで、かつメルカリのミッション・ビジョンに共感している方々にとってはチャレンジし甲斐のある企業とも言えるでしょう。
6.まとめ
メルカリではプロダクトマネージャーの募集も積極的に行っており、これからの事業拡大・海外展開に備えていることがわかります。一方で国内屈指のプロダクト企業でもあるメルカリなので、就職難易度は非常に高く、採用フロー・選考方法も先進的なものを取り入れていることがわかります。
一方で選考活動を通じて、また入社することによって得られるスキル・経験値もかなり強いので、ぜひチャレンジしたいという方は積極的に受けてみることをおすすめします。